色褪せぬまま 見上げ歩くよ

煌びやかな世界の端っこ

「ラブセン presents V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE1995~FOREVER- 放送直前スペシャル by WOWOW」を見た感想

 

 

 

 

今年は20周年のアニバーサリーイヤーでどの局も音楽番組をやるたびに「20周年スペシャルソングメドレー」などと銘打ったメドレーをたくさん企画してくれた。THE MUSIC DAYだったりFNS うたの夏祭りだったりMステだったりSONGSだったり。ぱっと思いつくのはこんな感じだったけど、とにかく今年はたくさんのメドレーを見た。色んな人に20周年をお祝いされているんだと嬉しくなった。

そして12月6日、10月2日に発表されたWOWOWでの11月1日の公演がジャニーズ初の試みということで放送された。様々な人が関わってきた20周年という記念に立ち会うことができて幸せだ。

そんなことで、12月6日に放送された「V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER- 放送直前スペシャ*1」の感想です。

 

*1:下放送直前スペシャ

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5段階評価の100をあげたい

 

 

私がもし先生だったなら。担当科目は日本史の教師だったのなら。WOWOWに、いやWOWOW様に5段階評価の100をあげたい。それでもって、日本史の授業を始める前に「はいちゅうもーーーく!一昨日みんなに提出してもらった壁新聞だけどね、WOWOWさんの壁新聞とても素晴らしかったの!ほら、こんな細かいところまで人物のまとめがわかりやすく書かれているの!先生この壁新聞に5あげちゃう!!」って担当を持ってる生徒の目の前で褒めちぎりたいよね!!! ………何言ってるんだろう私。 どうでもいい話ですけど、壁新聞ってコンテストあるんですね。

 

 3月19日に発表されたツアーの決定と日程のお知らせ、少年倶楽部プレミアムで「Timeless」と「SPOT LIGHT*1」が披露されるのカミセン出演回が始まる5月20日に申し込み開始のお知らせが届き、V6がVS嵐に6人揃って出演する三宅さんの誕生日に当落が出て、たくさんの人が倍率に息を飲んだV6の記念すべき大事な日、11月1日のプレミアムチケット。それを手に出来たのは限られた人だけで、惜しくも手にすることができなかった人を救う手立てが10月2日に発表された。ジャニーズ史上初のコンサート映像がWOWOWでの放送が決定し、それに加え放送直前スペシャル、6人が主演を務めたハードラックヒーロー(2003年公開)とホールドアップダウン(2005年公開)の放映も発表され、WOWOWが神にも見えた。(その後本当の神になる)

そもそもコンサートの映像は後に円盤化されるけれど、その円盤化には時間がかかる。今回のコンサートはクオリティーが高いし思い入れも強いコンサートなので、収録日である11月1日のコンサートをテレビで見ることができるのは遠い日に見ることになるだろうと思っていた。そしたら11月1日の1か月後に放送してくれるっていうものだから本当に有り難かった。

 11月1日が無事に終わり、11月の下旬になればWOWOWでの放送を今か今かと待ちわびるようになった。そして、放送直前スペシャルの日がやってきた。

 

V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER- 放送直前スペシャ

 一言でいうと、これ無料????だった。

放送直前スペシャルは11月5日と6日の2日にわけて2回放送され、どちらとも無料で見ることができた。無料。つまりお金はかからない。WOWOWを契約していなくても見ることができた。

上の「これ無料????」は悪い意味ではなく、いい意味で無料でいいのかと本当に思った。無料番組にしては構成がしっかりしていて、これからコンサートの放送を見る人には分かりやすく作られていて、それでいてメンバーの面白さだったりかっこよさだったり、個人個人の見どころをさらっと簡潔に説明したかと思えば、控室でくつろぐ姿や真剣な顔でリハーサルを重ねる6人、シングルを繋げて20年を振り返り、そして11月1日に収録した「Wait for You」をフルで見せてくれた。しかも「Wait for You」だけではなく、「GUILTY」「涙のアトが消える頃」「愛なんだ」「kEEP oN.」、イントロだけだったけど「SP"Break The Wall"」、半分までだったけど「UTAO-UTAO」、「~此処から~」をフルで見せてくれた。もうなんだ、お前は神か。神だ。ファンなら本当にたまらない映像ばかりだった。しかも高画質。DVDの画質でコンサートを見ているV6のファンとしてはアップになっても美しい三宅さんの肌を堪能できてとても満足した。

無料番組でいいのかこれはと思ったけれど、これを見ることによってV6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER-*2を見たいけど契約しようかどうかと踏みとどまっている人を契約の道へ突き飛ばすためだと考えるとこれ以上の効果的なものは無いと思った。とにかく最高だった。

 

 V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER- 

WOWOWのCMに「WOWOWで音楽ライブを見るというのは、特等席で見るようなもの」というものがある。 文字通り、リビングのソファの前が私の特等席だった。

さっきも書いた通り、V6のコンサートの映像はひとつもBlu-rayになっていない。いつも発売されて楽しみに見るDVDでの映像はやはり限界があり、Blu-rayには劣ってしまう。その画質に慣れていたファンの度肝を抜く、WOWOWの綺麗な画質で踊る6人の姿。綺麗の一言。これを見たら、今年はBlu-rayで出してくれなきゃ満足できないんじゃないかと思うほどに綺麗。アップになった三宅さんの肌の美しさは、10月31日に代々木で目の前で手を振ってくれたときに見たものと同じだった。つまり美しい。

WOWOWは事前に12月6日に何を放送するのかセットリストを公開していた。その時点では20曲+その他だったものが、当日見てみると、10曲以上も増えていた。

f:id:shbwill:20151208013617p:plain

黄色で塗られたものが放送予定のセットリストには無くて、当日追加されたものだと分かったもので、緑は放送直前スペシャルでのみ流れたもの。その他がまさか10曲も追加だなんて誰が想像しただろうか。もうWOWOW様とあの方には頭が上がらない。

WOWOWの綺麗な画質、本来は3時間だったコンサートを1時間半に短縮したもののそれが気にならないように作られた編集技術、映る全てがV6で、V6以外のものが最低限映らなかったカメラワーク。どれをとっても素晴らしいの一言だった。

 

ジャニーズ初だったジャニーズのコンサートをWOWOWで放送するという試み。

それはメンバーが高い倍率でコンサートに来ることができない人もいると知って、スタッフとメンバーが頑張ってくれた結果がこれに繋がったとするならば、私は本当にいい人達を好きになった。大好きだと胸を張って誇れる6人のグループと、それに関わった全てのスタッフ。感謝を伝えたいと言っていた6人に、スタッフにこの嬉しい気持ちをどうやって伝えればいいのか分からない。とりあえずWOWOW様には感謝のメールを送ったので、今度初めてのファンレターを書いてみようと思う。

 

放送直前スペシャルと本編の感想はまた次に書きます。とにかくWOWOWで放送したことが本当に嬉しかったという話がしたかった。

追記(2015/12/13):放送直前スペシャルの感想書きました

shbwill.hatenadiary.com

今年中に参加できたコンサートの書き起こしができたらいいなぁとは思ってるけど………終わるかな…。個人的には10月31日の挨拶がとても泣けるので、どうにか形に残したい。

 

見たかったなぁ…契約すればよかったなぁ……と思ったあなた…

安心してください!再放送ありますよ!!! …ごめん、これやらなきゃいけないような気がした…*3

 

アンコール特集:V6 20周年スペシャル V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995〜FOREVER-|音楽|WOWOW

 

www.wowow.co.jp

 

*1:SPOT LIGHTがテレビで放送されたのは少年倶楽部プレミアムだけ

*2:以下、本編

*3:コンサート中のMCで発売中のアルバムを買っていない人に向けて岡田さんが「安心してください…売ってますよ!」と何度も言っていた

時間が欲しい

 

コンサートという夢の舞台が終わってもう1か月が経つ。東京から帰ってきて唐突に部署移動が決まり、学生の時期を含め5年も同じリズムを繰り返していた生活が変わってしまったせいでここのところ忙しいです。私が忙しくても、ジャニーズはちゃんと動き続けていて、それを糧にまた頑張ろうと新しい配属先でどうにか毎日を過ごしています。

11月3日に放送された7年ぶりの学校へ行こうは放送が決定した時から楽しみにしていて、放送時間までにすべての準備を終わらせテレビの前に陣取り、3時間たっぷり楽しみました。その後学校へ行こうを見た同世代の会社の先輩や同僚や後輩から学校へ行こうの感想の受付場所になっていた。途中であったラブセンのCMのクリックの狂気度は凄まじかった。まああんな選択肢があったらクリック連打する人がいるのは分かる。でも落ち着け。後日三宅さんのラヂオで、三宅さんもあのCMを見たと発言していた。あれ見たのか…そっか……恥ずかしいと本人は言っていたけれど、あれはコンサート前にも流れていて、どんな気持ちで他の5人が聞いていたのか気になるところ。

V6が20周年を迎え、次のシングルはまだか、今年ももう終わるぞと思っていた矢先にベスアでの田口さんの発言で言葉を失いました。あの場所でどうして言うんだろう、楽しみにしていた人だってくさんいたはずなのに、と思ってしまったけれど、生放送で喋るか らにはそれなりの覚悟と決意があったんだろうと、田口さんの表情を見て悲しくなりました。1つ上の姉貴がKAT-TUNのことが大好きで、KAT-TUN がデビューするのを今か今かと待っていたので、1人1人と減っていく姿を見るのは悲しいものです。赤西さんと亀梨さんの区別がつけられなくて姉貴に毎回怒られていた日々が懐かしい。ベスアのV6についてはまだ見ていないので(日テレ放送地域外)、見られた時にまたのんびりとわーわーきゃーきゃーしたいと思います。バク転したというのは把握済み。

11月26日には井ノ原さんが紅白の白組の司会に決まり、V6も2回目の紅白出場が決まって、今年もV6と共に年が越せると喜ばしい限りです。去年は初出場なのに前半最後の尺調のタイミングでの出番だったり、伍代夏子さん「ひとり酒」のバックダンサーとして活躍したり、TOKIOの「LOVE YOU ONLY」、SMAPの「みんなで歌おう!SMAPメドレー」で一緒に盛り上がったり、井ノ原さんが有働さんと共に花子とアンの紅白スペシャルドラマの朝ラ受けをしたり、井ノ原さんと岡田さんが嵐の曲紹介をしたりと、V6の隣で黄金に輝く(初)初出場の文字にしてはたくさんの役回りをもらっていた。あれから1年、もう1年経つのかと紅白初出場の情報を聞いてミスを連発して上司に何かあったのかと呼び出された日のことを思い出します。今年ももう年の瀬かぁ。

明日には10月2日に決定したジャニーズとWOWOWの初の試みの放送があるのでとても楽しみです。明日は放送直前スペシャル、そして明後日は6人が主演をつとめた映画ハードラックヒーローから始まり、ホールドアップダウン、放送直前スペシャル、そして最後の締めくくりにはV6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995~FOREVER-が放送される。6日はV6尽くしで幸せ。今からでもWOWOWの放送には間に合うので、電話やネットで「V6が見たい」と伝えてたくさんの人に見て欲しい。

V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE 1995〜FOREVER-|音楽|WOWOW

 

余談だけど、6日と騒ぐ為に翌日の7日の休みを申請したら、おまけで5日の休みまでもらえたので、3連休は楽しめということなんだと勝手に解釈しています。3連休をもらうために4連勤と4連勤でサンドイッチされてるけど気にしない。楽しみがあれば大抵のことは乗り越えられる。

今年も終わりと意識を始めて、何をしたいのかと考えてみたけど、やっぱり1番は積み重なった雑誌のタワーをどうにかすることだ。一応部屋の見栄えを気にして本棚に雑誌を収納しているけれど、今年の雑誌ラッシュのおかげで本棚に雑誌が入らない。嬉しい悲鳴だ。できれば今年の雑誌は今年の内に片付けたいところ。そして新しい年の雑誌を本棚に収納したい。そもそも買った雑誌をきちんと読んでいないので、片付けると同時に読みたいけれど……この流れは片付けが終わらない典型的な原因になりそうな気がする。

ブログでも今年ももう終わるので1年を振り返ってみたい。あと、未だに一切手を付けていないコンサートのレポも早めに書き起こしたい。誰が欲しているのかはもう気にせず、数年後の自分の為に形に残したい。 つまり時間が欲しい。

 

ロケ地巡りをしてきました

”巡り”と表現しても、行った場所は2か所なので、巡ったと言っていいのか謎ですが、先日V6のコンサートを観に行った際に、念願だったロケ地巡りと言うものをしてきました。地元にあるV6のゆかりがあるものと言えば学校へ行こうの九州旅で、オープンカーに乗ったV6がおばちゃんと通り過ぎた高架橋の近くを思い出す私。あそこ仕事行く時に絶対通るんですよね…。あとジャニーズWESTのバリハピとかAll My Loveのロケ地はめっちゃくちゃ地元なので………ええ、あの場所に行こうと思った方々はお疲れ様と言う言葉を送りたいです。

そんなわけで、ちゃんとしたロケ地を巡ったことがないので、今回のコンサートを行くきっかけに簡単な場所に行ってまいりました。

 

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幸せから一番遠いところに居た話

 

8月30日にきたえーるから始まったラブセンpresents V6 LIVE TOUR 2015 SINCE1995 FOREVER がV6のデビュー日である11月1日に、V6のデビューした場所である国立代々木競技場 第一体育館*1で幕を閉じた。コンサートは約3時間で、シングル約46曲*2を踊り続けたV6の20周年を記念する素晴らしいコンサートだった。

このデビュー日でもあり最終日だった11月1日の公演には代々木の収容人数13,291人に対して、ドームでも出来るくらいの申込みがあった。*3でも代々木にこだわった。誰がこだわったのかは言っていなかったけど、代々木を聖地と呼ぶファンと同じく6人がこだわったのなら微笑ましいと思っている。

 

さて、私が今回初めてのコンサートに行って楽しかった思い出を書き綴る前にキーボードを叩いているには理由がある。

www.excite.co.jp

11月1日に行われた公演の「音漏れ参戦」についてだ。

 

結論としては僻みに聞こえるかもしれないけれど、まぁ言わせてくれ。言わないと気が済まなかったんだ。11月1日からずっと引きずったままだったんだ。どうにか形にして自分に納得をつけたい・諦めたい・こういう意見もあったんだと残したいだけなんだ。

 

※演出のネタバレを含みます。

 

 

11月1日。

私はこの公演のチケットを持っていなかった。すっごく行きたかった。何故か申し込む前から行けるものだとずっと思ってた。結果はチケットは落選し、チケットも交換できず、手元に11月1日のチケットが無いまま私はデビュー日を迎えた。TwitterではV6おめでとうの文字が並び、胸を熱くし、最近涙腺が弱いせいでうるうるしていた。初めてのコンサートである10月29日の代々木公演の最後に「俺たちが〜」と井ノ原さんが声をかけてメンバーもファンも嬉しそうに楽しそうに声と手を上げて「ぶいしーーーっくす!!!」ってひとつになるあの世界を思い出して、記念日である11月1日のコンサートに入りたくてたまらなかった。

 

私が代々木が見える例の歩道橋*4に立ったのは11月1日の11時1分だった。その時間帯から、少しずつ31日までの代々木と姿を変えた。まず、グッズを販売する時間と場所が変更され、V6のツアータイトルとロゴである看板の場所が移動されていた。そこで何か始まるんだろうとジャニーズに魅せられてから間もない私でも容易に想像できた。徐々に集まるファン。何の知らせもないのに、代々木がファンで埋め尽くされていく。私はその光景を歩道橋から見ていた。

13時を過ぎる頃には、私も代々木の広場の中に居て、何もわからないまま何かを待っていた。すでにファンの数は山ほどいた。何人かさらっと言えないが、とにかく居た。そこでやってきたつーこさん*5が話をしていた。

詳しくはさぁやさんのブログで把握していただけるとありがたい。

inunekobiyori.hatenablog.com

私はその何かを見ることなく、その場を去ったので代々木の広場に居たわけではない。記者会見があったらしい、その記者会見にたくさんの人が集まったらしい、11月1日の申込みが凄かったことをTwitterで流れてきた情報で知った。

 

そして、ラブセンpresents V6 LIVE TOUR 2015 SINCE1995 FOREVER の最終公演が17時に幕を開けた。代々木の空間に入れるのはチケットを持つ約13,300人のみ。ドームで出来るほどの人数の申込みがあったけれど、最終公演を見れたのはその中の一部だった。つまり、残りの大多数は代々木の会場に入れなかった。

公演が始まって、10分くらい過ぎたころ、私は代々木に居た。会場の中ではなく、外に。何をしに行ったかというと、グッズを買い足しに行った。その時点ではパンフレットをまだ読んでいなかったけれど、20周年の記念として作成されたものならきっと素晴らしいものだろうともう1冊欲しくなったのだ。

その時にはもう既に「音漏れ組」が居た。最初はコンサートが始まっているはずなのに、会場前に人だかりができている意味が分からなかった。人だかりの先に会場内にあるオブジェが置いてあるのかなと思い、私はその人だかりの先が見える場所へともぐりこんだ。見えた先には何もなかった。何もなかったから、人がたくさんいる意味がもっと分からなくなった。広場の近くにあるトイレに入り、出てきた頃にはもっと人が増えていた。その人々の手には、今回のコンサートグッズであるペンライトが握られていた。それを見た時、この人だかりの意味をやっと理解した。SPOT LIGHTの「4」という井ノ原さんの震えた声が微かに聴こえた。きっと岡田さんが井ノ原さんを持ち上げたんだろうなと思った。微かだったけど、中の声が聴こえたのだ。代々木は会場と入口の境目に幕を張っていないため、中の照明が様々な色に変わる姿も見ることができた。SPOT LIGHTの掛け声の部分で私の目の前で点滅する白いペンライトが左右に揺れた。 この人達は会場の音を聞いているんだ、と びっくりした。

ジャニーズのコンサートというか、コンサートに行ったことが無かった私だった。先にも書いた通り、初めてのコンサートは2015年10月29日のコンサートで、初めてなりにマナーを守ろうと色々と勉強してきたつもりだった。うちわの大きさ、高さ、髪を盛ること、露出の多い服はあまり好まれない。「音漏れ」という言葉を知ったのもその勉強した時だった。大きい会場だと音が外に漏れて聞こえてくることがあるのだという。それを会場の外で聞くことが音漏れだとなんとなくの意味で把握していた。芋づる式で、嵐の音漏れの話を目にした。

note.chiebukuro.yahoo.co.jp

音漏れってあまりいい事じゃないんだろうなと思っていた私は、11月1日にその現場を目にした。え、ダメなんじゃないの。すぐにそう思った。V6のファンはマナーがいいと言われているし私もそう思っているから、単純にびっくりした。人だかりを避けて、グッズを買い、パンフを手にして、もう一度人だかりを見た時、私はうーんと唸った。なんとなく、嫌な予感がした。友人に笑い話として「もしかして、井ノ原さんが客席登場の時に走って出てくるかもね」と冗談混じりに言った。勿論そんなことはあってほしくないと思っていた。

客席登場というものを説明すると、まず代々木の会場を想像してほしい。北と南の2階席の前に、トロッコが出現する。それにメンバーが登場し、2階と1階後列のファンと触れ合うという演出である。北と南で3人ずつに分かれ、半周した後、トロッコを降りて北の人なら南へ、南の人なら北へ自らの足で移動する。その時、まず最初に井ノ原さんがトロッコを降りて、猛ダッシュで移動を始める。スタッフからタオルを受け取って汗をぬぐい、足元をライトで照らされながら走る。井ノ原さんが例えば北から南へ移動し終わった後、南の長野さんと坂本さんが北へ移動を始める。そして長野さんと坂本さんが北へ来ると、森田さんと三宅さんが南へ移動を始める。最後に北に居た岡田さんが南に移動して、移動が完了する。これが客席登場の立ち位置交換だ。

その立ち位置交換の際、メンバーは会場の出入り口付近を走るのだ。付近といっても、5Mほどある。しかしやろうと思えば、外に出てくることは可能だった。だから、私は友人にそうならなければいいと思って「もしかして、井ノ原さんが客席登場の時に走って出てくるかもね」と言った。それが後に岡田さんの話につながる。

 

私は、グッズを購入してホテルに帰った。後ろ髪を引かれる思いではあったけれど、きちんとした手順でコンサートを楽しんでいる会場の中にいる人のことを考えると、音漏れ参戦する気にはなれなかった。ただでさえコンサート自体の倍率も高く、入れない人も居て、最終日の公演の倍率はそれ以上に高かった。それを考慮してか、V6は最終日の公演をDVDが発売する前に、WOWOWで放送することを10月2日に発表していた。今見れなくても12月になれば見れると信じてホテルに帰った。

ホテルに帰って、コンビニでお酒と甘いものを買った。デビュー日を祝うために。疲れた体を癒すためにお風呂に入って、お風呂から出てTwitterを開くと唖然とした。スタッフが音漏れ参戦している人の為に扉を開けて中の音をわざわざ聞かせてあげたのだという。まじか。一言目はそれだった。記念日でもあり、倍率が高かった。入りたくても入れな人たちがいた。居ても立っても居られずその場に居たいと代々木に集まった人たちが大勢いた。その人たちの為に、スタッフは会場の扉を開けたのだという。私が代々木を去った時は数百人しかいなかったファンの数が、Twitterで現地の様子として流れてくる写真にはその数十倍以上の人が写っていた。翌日の報道によると1万人を超えたらしい。数百人だけだったものが、Twitterの実況や現地にいる友人たちの誘いで膨れ上がったのだろう。

もう、なんていうか……笑った。嬉しくてとかその心遣いに感動してとか、そういうのじゃない。あの一瞬私の心の中を占めたのは冷めた愛だった。数秒前までファンが、スタッフが大好きだった。それなのに、音漏れの為に開かれた扉からは、岡田さんが出てきた。アンコールで岡田さんは「ちょっと外に出てくる!」と言ったまま、外まで走ってきた。走ってきて、手を振って、自分の持っているタオルを投げた。本心を素直に表すと、意味が分からなかった。お金を払って狭き門をくぐれた人たちに対するファンサービスを、お金を払っていない音漏れの人達にしたのだ。

 

記念日で入りたくても入れない人がいた、スタッフもファンのマナーを信用しているから扉を開けた、岡田さんを含めV6も外で音漏れを聞いている人々がたくさんいることを知っていた。20年間でメンバーとファンとスタッフの間の信頼関係があったからこそ、「神対応」とも言われることになった会場の扉を開けることに繋がったことも分かっている。そこまで信用していただけることはこの上の無い幸せだと思っている。

 

けれど、マナーを守って帰った人は、家で最終日が何事もなく終わることを願った人は、チケットを手に入れられず諦めた人は、どうすればよかったのだろうか。その信頼の上に成り立ったスタッフの優しさと岡田さんのファンに対する優しさを、私はどう受け止めればよかったのだろうか。

 

Twitter上では様々な意見を見た。「今回のスタッフの対応は特別である」「次があるとはみんな思っていない」「今回の音漏れはファンが積み上げてきた信頼感があったからできたもの」「20周年だからスタッフとメンバーが今回は許してくれた」

その意見の殆どに、私は「わかる」と答えたい。記念日で倍率が高くて入れなかった人たちがたくさんいたこと、これまでV6を応援してきたファンの皆さんが積み上げてきた信頼感があるからできたこと、スタッフもそれを理解して優しさで扉を開けてくれたこと。分かる。分かるんだよ。

でもね、マナーを守った人たちだっていたんだ。我慢して終わることを待っていた人たちだっていたんだ。「今回限り」の音漏れを「今回だから」納得できない私がいるんだ。

 

僅かに聴こえるメンバーの歌声、楽しそうにファンを煽る声、様々な色に光るライトと、それに呼応するように光るペンライトと嬉しそうなファンの声。あの会場に入れたらみんなが幸せだっただろう。でもそれは出来ないことで、その上でみんなが幸せな11月1日で終わるようにと行われた優しさが、私は未だに飲み込めない。物わかりの悪い僻んでいるだけの私の意見だけど、あの瞬間、私は11月1日なのにとても悲しくて、幸せから一番遠いところに居た。

 

11月1日を祝うために買ってきたお酒は、自分の心に芽生えた感情を忘れるための手段でしかなく、ツアーパンフレットに書かれた森田さんの「V6のファンは最強です」の言葉に泣いた。そんな1日だった。

 

 

*1:以下、代々木

*2:最終日である11月1日は48曲

*3:同日に行われた記者会見前につーこさんが発言した

*4:V6のデビューイベントを開催した際に周辺道路までファンがあふれ返り「歩道橋が揺れた」という伝説が残っている歩道橋

*5:ファンを仕切ってくれる方

「図書館戦争 THE LAST MISSION」を見た感想

 

 

図書館戦争 THE LAST MISSION」*1を見てきました。「図書館戦争 LIBRARY WARS」*2を見てから、続編はいつかないつかなと楽しみにして、そして発表された続編の決定、撮影、イベント、試写会…いつのまにか公開日である10月10日を迎えた気分でした。

そんなわけで以下ネタバレです。

 

 

*1:以下、第二作

*2:以下、第一作

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