色褪せぬまま 見上げ歩くよ

煌びやかな世界の端っこ

「図書館戦争 THE LAST MISSION」を見た感想

 

 

図書館戦争 THE LAST MISSION」*1を見てきました。「図書館戦争 LIBRARY WARS」*2を見てから、続編はいつかないつかなと楽しみにして、そして発表された続編の決定、撮影、イベント、試写会…いつのまにか公開日である10月10日を迎えた気分でした。

そんなわけで以下ネタバレです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第二作になって岡田さんがインタビューでも口にしている通り、王子様から普通の男としての堂上が描かれていて、新鮮さを感じました。第一作から成長しているわけで、ひ弱そうに見えた第一作の手塚役の福士くんも第二作になるとがっちりとした体つきになっていて、これは福士くんが体を鍛えたこともあるけど、成長したのを見た目で納得できたので、第一作と第二作の間にあった2年はとてもいい年月だったと思います。笠原もしっかりして、上官である堂上や小牧に指導してもらいながら特殊部隊の一員としてかっちりハマってきた感じ。第一作で手塚に怒られた笠原はもうそこにいないし、子供たちの目線に合わせて離す姿や自分のなすべきことをしっかり分かっているその姿勢に笠原の成長さを垣間見れて、なんだか親が子供の運動会を見守るような気持ちでした。

 

感想を箇条書きで書いていますので、映画の内容が前後するかもしれません。それと抜き出しているセリフはきちんとメモしていないので間違っていると思います。

 

  • 最初の検閲の演出

映画の一番最初に始まる、荒磯に波と共に出てくる東宝の文字のシーンみたいなものをなんていうんだろう……。とにかく、それが上手かった。スクリーンいっぱいに「TBS」の文字が出てきたかと思ったら、画像が荒れ、夜中の時間帯に放送番組が無かったときに出てくる放送休止の画面や砂嵐。いったいなんだと思っていると、良化委員会の文字。ああなるほど、そこでその演出の意味を理解しました。子供たちへ向けた推薦図書の話、規制された本の名前、規制された番組。写されるそれは良化委員会によって検閲されたものだとわかったときは、冒頭からこれを持ってくるのかと度胆を抜かれた。漫画やアニメや第一作でも「検閲」という言葉はたくさんでてきて、本は黄色いテープで「検閲図書」と乱暴に捨てられ燃やされても、映像はどうなるかという明確なシーンが無かったので、映像はこういった形で検閲されるんだと分かって面白い。なによりそれを冒頭に持ってくることによって、検閲のある世界に一気に引き込むから凄いんだよなぁ。最初だけですっごく感動してた。あれ面白い。

 

  • まるで赤子の手をひねるような

笠原と手塚の組手!それを見てるとこの2人って同期なんだよなぁとしみじみします。業務面で手塚と比べられるイメージが強かったから、比べられるだけじゃなくて切磋琢磨している姿を見たかったので、この組手シーンとてもよかった~。映画じゃ早すぎてよくわからない箇所が多かったので早く円盤化したものをコマ送りで見たい。これも第一作ではここまでの動きができなかったんだろうなぁと成長を感じていると、笠原を転がし手塚を転がす堂上に、やっぱり堂上班に所属する新人なんだなぁと親目線で嬉しくなる。小牧と笑い合う進藤一正最高に可愛かったよ!!!!!

 

  • 砂川に怒る笠原

図書隊なんて存在しても意味が無い。ニュアンスが違うかもしれないけど、夜の図書館で残業をしていた笠原に本を運ぶのを手伝いを頼んだ砂川が、図書隊を批判するシーン。そこで、「そんなこと言うならやめたら?」と言った笠原の言葉を砂川が受け取り、笠原が段ボールを床に置いて「いみわかんない!」と憤慨する姿に、あ~笠原だぁと安心した。腕を振って大股で歩き出すその背中、第一作と変わってなくて安心する。成長した笠原を見ると頼もしいと思うけど、こういった笠原の本を読みたい今を守るという意思が続いているのを見ると、「笠原って変わんないんだなぁ」ってすごく安心する。成長も嬉しいけど変わらない笠原が見れてすっごく嬉しい! 個人的に榮倉さんの笠原を演じる上での動作が、私の想像する笠原像にピッタリで、見ていて苦じゃないんですよね。笠原だなぁってすとんと自分の中に落ちるって言うか。

 これはオールスター感謝祭のときのツイート

畏まった場ではない時に頭を下げると両手が上がっちゃうのもすごく笠原っぽい。私の笠原像ポイントをぐいぐい押されてる感じがして、榮倉さんの笠原を見るのが楽しい。

 

  • 図書隊の華、柴崎

 序盤の髪を耳に掛けた柴崎の姿はまさに図書隊の華。そりゃ華だわ…と納得するほど綺麗。原作の有川先生が柴崎を栗山さんをイメージして書いていたからと言うのもあるけど、その栗山さんが完全な柴崎でもうほんっと……綺麗だよね…。私が図書館戦争の映画をリピートする理由の一つに入っている程、髪を耳に掛けた柴崎が綺麗で好き。

 

  •  「命令だ言え!」

笠原が焚書をした共犯者だと査問会に呼び出され、戻ってきた笠原に堂上が怒るシーン。お前が余計なこと言ったから査問会が続くことになったんだ、何を言った、と怒る堂上。絶対に言えませんと答える笠原。見ていて「あ~~~~もう~~~~!!!!」とハンカチで顔を押さえた。もどかしい!もどかしすぎる!!!!笠原の余計な言葉は堂上を馬鹿にされたからで、でもそれは堂上の元に報告は来ていない、それを笠原は報告したくない、言いたくないとしても言えと声を荒げる堂上…………もう…好きにしろよ……。このスピード感のある言い合いが堂上と笠原の関係のもどかしさを加速させているというか……ああもう好きにしてくれとしか言えない…。好きにしてくれ、私はハンカチで顔を押さえながらもどかしくて死にたくなってるから、どうぞもっと好きにやってくれ。

 

  •  笠原、泣く

 これ私この現場に居たら「や~~~い!!!堂上が笠原泣かせた~~~~!!!!」って茶化したかった。

 堂上が笠原を追い詰め過ぎたせいで、笠原が我慢できなくて泣いちゃうんだけどその顔を見せたくなくて、顔を押さえる笠原。それにうろたえる堂上。なんだこれ…。もどかしすぎる。その光景をたまたま見ちゃった玄田隊長と小牧。その2人に「違うんです!!」って必死に叫ぶ堂上。なんだこれ……。走り出す笠原に、残された泣かせた男堂上と見ちゃった玄田隊長と小牧。このあと絶対にいろいろ言われてる。混ぜてほしい。 このシーンの岡田さんの切羽詰まった「違うんです!!」も顔を覆った榮倉さんも後からやってきた橋本さんも田中さんも、全部この人達だから私はこんなにもどかしくて劇場で顔を覆うことになったんだろうなって考えて………配役って凄いなって思いました。

 

  •  手塚慧との邂逅

 おしゃれなイタリアンのお店で笠原と手塚慧が検閲を無くす未来について語り合うシーン。公式が手塚慧の持っているワインの銘柄には意味があるって言ってたので、調べたんですが、ギリシア神話に登場する女神のアストレアでいいのかな?

アストライアー(アストレアはラテン語)は、神々の中で最後まで地上に留まって人々に正義を訴え続けたが、この時代に至り、遂に、欲望のままに行われた殺戮によって血に染まった地上を去った。

 検閲が行われ激しく衝突する図書隊と良化委員会の間で正義を叫び続け、血塗られても誰にも関心を抱かれずに報われない戦いを愁いた結果、自らが新たな道を模索した手塚慧…。(後述に続く)

 手塚慧の言葉で落ち込む笠原のいるレストランにやってくる堂上を見た時に教官じゃなくて王子様だと思ってしまったよね。睨みあう2人、「見てみたいなぁ…貴方が倒れるところ」「見てるだけか?直接来い」「現場は引退しましたので」ってかっこよすぎて笠原のこと忘れてない???と思うほど。ここは色んなものを抜きにして綺麗な2人が睨み合ってて眼福でした。

 

余談なんだけど、これが岡田さんと松坂さんの唯一の共演シーンで、岡田さんが福士くんに壁ドンされたという話を聞きつけた松坂さんが自分も壁ドンしたいと岡田さんに言い出したのはこの時だと思ってる。松坂さんの壁ドンは断ったと言っていた岡田さん、しかし本当はクランクアップされてから壁ドンをされていたのを忘れていたという話。榮倉さんの言葉を借りるならば、岡田さんがモテモテ。

 

  •  「……でかいな」

これ!!!!!劇場で見ればわかるこのシーン!!! このシーンは観客が殆ど笑ってた。緊張状態からのこの言葉はずるい。そのあとの笠原の身長高いアピール可愛すぎる。脱いでもいつもの身長差に戻るだけなのにね…!

 

  • 特殊部隊に愛されている笠原が可愛い

笠原が査問会から解放され、特殊部隊のメンバーと合流するシーン。「私がやってないって信じてくれたんですか?」「当たり前だろ、一緒に戦ってきたんだから」とか言われて嬉しくて「わーーーー!!!」と両手を広げる笠原。榮倉さんは本当の笠原。「いざとなったら特殊部隊で乗り込もうと思ってた」と言われる笠原は本当に特殊部隊のメンバーに愛されているなぁと嬉しかった。

堂上に渡せずしまいのお礼の品を柴崎が持ってきて受け取った笠原が特殊部隊に合流し、残された柴崎と手塚にはきっと会話シーンありますよね!!??ここカットされてますよね!!!???と映画を見た時に円盤化が楽しみになった。気が早いのは知ってる。

 

  • 教官もうちょっと照れて

笠原からお礼の品と言うことでカモミールのオイルを貰った教官。最初の「いらん」がそっけないし、貰ってからもふーん…という態度がちょっとさびしい。もうちょっと…こう…恥ずかしがるとか……反応をさ…

 

茨城県展のじつは色んな人がグルでした~~~!!みたいな状況、あれは知事も手塚慧の息がかかってたってことでいいのかな?ということは県展自体がアウトで飾るのまずくない?と思ったんだけどそうでもないの? この辺りがわからなくて…理解力を鍛えようと思います。

水戸図書館の検閲抗争から最後までずーーーっと銃撃戦のオンパレードで、これは第一作とはスケールが違うなと驚きました。3分の2くらい銃撃戦だったんじゃ…というほど。第一作と同じくフォローのシーンが隊員同士が信頼し合ってないとできない背中の預け方で、かっこよかった。フォローレディー!って言いたい。

 

  • 誰も知らない

静かな街並みを手塚慧が運転するシーン。第二作の中で好きなシーンを挙げろって言われたら迷わずこのシーンを選びます。初めて見た時に瞬時に「あっ、このシーン一番好き、絶対好き」と直感で思った程に印象的。

静かな街でみんなが信号が変わる時を待っているその最中でも、茨城では検閲抗争が行われ、血が流れているというのに、それを誰も知らない、気にも留める様子がないことを車内に流れるラジオから茨城の様子を聞いている手塚慧が何の感情も抱かずに人々を見る。変わりもしない日常の数分で、誰も図書隊や良化隊が衝突しあっていることなんて気にもせず、無関心。本を守ることによって表現の自由を命がけで守る人たちがいることを知っている手塚慧が馬鹿馬鹿しい、無意味だと諦めているようにも見えて、無関心はこの現状を招いたと強く残った。このシーンの前は茨城で銃撃戦が行われカメラワークが早いのに、手塚慧が運転しているこのシーンはゆったりとしているのが、茨城と一般の人との温度差を鮮明に表現していて、私がすぐに抱いた感想が「うまいなぁ」だった。

 

  • 「やっるぅ~」

屋上で進藤一正たちとスナイパーをして牽制していたけれど、進藤一正が被弾したことにより、手塚も小牧の元へ合流。(進藤一正が被弾したシーンがあって嬉しかった)

追い詰めてくる良化隊の姿を見て、小牧が手塚に「M14持ってきて」と言った時は立ち上がりそうになりました。バリケードの合間からM14で進んでくる盾を威嚇射撃する手塚のかっこよさと言ったら…。前回はスナイパーだからと前線にほとんど出ていなかった手塚が、まさかスナイパーを持って前線で活躍するとは思わなかった。重く鋭い音と共に盾に弾け、良化隊が狼狽える姿を見た時すかっとしたよね!ずっと図書隊は防戦一方だったし、追い詰められてるイメージしかなかったから、そこで焦りを見た時に図書隊を応援している身としては「見たかこんにゃろー!!」みたいな気持ちになっていたら、それを見た小牧が「やっるぅ~」って言ったので、全てもってかれました。やっるぅ~~。

 

  • 堂上が笠原はもう一人前だって気づいたのはこのシーンなのかな

特報で「もう俺がいなくても……」という掠れた堂上のセリフが流れ、「えっ!?ちょっと待って教官!!!??」と騒いだ私。成長したとはいえ笠原には教官が必要なんですと堂上に詰め寄りたい気持ちでいっぱいだったんですが、特殊部隊の本隊と別行動になった堂上と笠原が良化隊と取っ組み合いになるシーンで、笠原が1人で良化隊をのしたところを見ていた堂上が心なしかほっとしたような1人でも大丈夫という顔を見せたような気がした。弾薬係だった笠原がEVAC*3しているときに、向かってきた良化隊に初めて自らの意志で撃った姿を見たのも堂上には進歩したように見えたのかなと納得。

 

  • 仁科司令の停戦申し出

手塚慧が良化委員会に特殊部隊は壊滅状態だと説明し、文科省の傘下に置くと良化委員会に許可を貰おうとしている中、柴崎と敵の総本部に乗り込んできた仁科司令。私の首を差し出すから特殊部隊54名*4を助けて欲しいと交渉を持ちかけるものの、手塚慧が「騙されてはいけない」「このチャンスを逃す手はない」とまくし立てる。可哀想なものを見た声で「どうしてそこまであなたはするんです?実の弟だっているのに」と投げかけた仁科司令に「それを戦争を始めた貴方が言うんですか?」って返したシーンな!!言われた時の司令の顔!言ったときの手塚慧の顔!! どっちも痛々しくて泣いた。

来る日も来る日も~~~のあとの「泥ならいい!図書隊が被るのは血です」って手塚慧が言ってるときはもうボロボロ泣いてて、手塚慧だって実際には図書隊でもがいて苦しんで、上の手塚慧と邂逅の項目で書いた「検閲が行われ激しく衝突する図書隊と良化委員会の間で正義を叫び続け、血塗られても誰にも関心を抱かれずに報われない戦いを愁いた結果、自らが新たな道を模索した」結果が未来企画だったのかと考えると、手塚慧の行動を責められなくて、号泣。仁科司令が「本を焼く国はやがて人を焼く」とよく言うけれど、「死が人を殺すというがそれは違う。退屈と無関心が人を殺すのだ。」と歌詞がある歌があって、その歌詞のように「無関心は人を殺す」のではないかと痛感した。2回目の鑑賞では考えている余裕ができたけど、1回目ではとにかく泣いてた。

「この世界はまだ守るに値する」と仁科司令が停戦を願った声に、焼けてなくなってしまった日野図書館に玄田隊長と行ったときに、図書隊と良化隊の争いを始めてしまったことを悔いていた仁科司令に「我々図書隊はそんなヤワではありません」と玄田隊長の言葉が蘇りました。守りたい人がいて、守っていく人がいて。それで成り立つ世界に関心が無いのはやっぱり悲しい。

 

  • 「初めて兄貴を殺したいと思った」

 手塚が被弾し、壁に背を預けている手塚が小牧に言ったシーン。すっごく憎そう。やれるなら今すぐにでも、みたいな感じで手塚が初めて静かな怒りを見せるから綺麗な人がこういう言葉を言うとぞくぞくするなぁと不純にもときめきました。

その後の小牧の「柴崎さんが聞いたらなんていうと思う?」って言葉に「あんた馬鹿じゃないの」かなぁと思っていたら手塚がふっと笑って「あんた馬鹿じゃないの」と柴崎の口調を真似たので、軽率に死にました。手塚と柴崎もっと見せてくれ。あの状況でも柴崎の事を思い出すと張りつめていた糸がほぐれる手塚可愛すぎる。

 

  • お好み焼きに納豆

張りつめた戦闘シーンの中で、二人だけの世界に一瞬だけ浸れるお好み焼きシーン。閃光弾の光を見つめながら、花火の話をしだす笠原に、戦闘シーンなのに日常に戻れたような錯覚がして、ことさらに戦闘の激しさを痛感し、箸休めのような緊張がほぐれる時間がとても楽しかった。親父の作ったお好み焼きを数年食べていないという堂上に、お好み焼きに納豆を入れるとおいしいと言い出す笠原。合わん!と一喝し、マヨネーズは掛けてもいいですかと聞く笠原に、許可すると答える堂上。あ~~~日常!!!堂上班の日常っぽい!!カミツレデート以外にも堂上の家にお好み焼き食べに行ってくれよな!!! このシーンが入るからこそ日常の大切さを思い出させるって言うか………私もお好み焼きに納豆は反対派です。

 

  • 最強のバディ

堂上と小牧の細かく話さなくても伝わる感じとても好きです。全館の電源を落とすときに小牧が最後に堂上に「堂上、電源が落ちるよ」って無線で呼びかけたり、堂上が強行突入するまえに小牧に連絡いれたり、そのときの小牧が「何する気?」って聞いたのに答えない堂上、笠原と美術館に向かうときに良化隊の無線を小牧に渡すとか……そうだよね、信頼してないとできないよねとこの2人に関してはもう何も言うまい…状態。第一作の時にもフォローレディーとか単独行動は禁止だろ?とか2人のバディ姿がとても好きです。 堂上は笠原さんに似ているよと小牧が言ったことがあるんですが(これ映画でも言ってたかなぁ…)、その笠原に似ている堂上の姿って、小牧の前でよく出ると思うんですよね。無茶をする堂上にそれをカバーする小牧、それは信頼がなせる業と言うか。今回は和やかなシーンが無かったのでちょっと寂しかったり。

 

  • あの日見た光景

笠原が堂上にキスをして「戻ってきたら好きって言いますから」と美術館へ走り出すその背中が、第一作の高校生だった笠原を助けてくれた王子様が本屋から立ち去るときの光景と一緒で泣いた。私涙腺弱いよね……。

 ドラマ版でもそんな光景もあったし、監督好きだなぁこの演出!!って思いました。私も好きです。

 

入院した堂上が退院して戻ってきているよと小牧に言われた笠原がすぐさま逃げ出した姿が親に悪いことがバレて逃げ出す子供みたいで笠原らしくて笑った。そしてすぐに見つかる笠原。「ちょっと待て」に足を止める笠原、ほんっと飼い主と犬…。戻ってきたら何か言うんじゃなかったのかと堂上に言われて、「えっえっついについに!?」と慌てたけど「ついに」のシーンではなかったので落胆していたら、カミツレデートの約束を!堂上が!!! 「柴崎とは行ったのか?」「どこにですか?」「カミツレのお茶が飲めるっていう…」「行ってませんけど…」「じゃあその……連れてけ」「………柴崎をですか?」「俺をだ!」 このシーン恥ずかしくてもどかしくてリアルに(⊃д⊂)こんなことしてました。劇場でも笑いが起きて、堂上と笠原のこのテンポはやっぱり大事だなぁと実感しました。

 

 

パッと思い出せる分だけ書いてみたけど、相当なものになってしまった…。現段階で2回劇場に足を運んでいるんですが、まだ見足りないのでまた見に行きます!その際に書きなおしたり手を加えたりするかもしれないです。

続編!楽しみにしてるからな!!とりあえず柴崎と手塚がチューするところはやってくれよな!!!約束だからな!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからは原作厨の私のぼやきです。批判的に捉えることもできるコメントもあるとは思いますが、一個人の感想で、決して映画が嫌いと言っているわけではありません。映画は映画の良さがあって、とても素晴らしいものです。

 

 

 

 

 

 

  • 王子様とは

笠原が高校生の時から憧れていた王子様。それが堂上だと分かったことに関して、笠原の反応薄すぎでは…? いくら撫で方が似ている(一緒)だとは言えもっともやもやしたり葛藤したりしない…?王子様が上官かもしれないんだよ?目の敵にされているのかと思うほど怒られる上官が夢見た王子様かもしれないんだよ? 査問会で王子様は堂上かと言われてはいと素直に肯定して、王子様の話題がそれっきりって寂しすぎる。堂上が王子様ということに関してさらっと流し過ぎだよ~~~第一作で王子様の前に堂上を越える事を目指すって宣言したのちに、もしかして王子様って教官かもしれないとなったときの笠原の心情の変化があまりなかったのが物足りない。

あと、映画製作にかかわっている方が王子様は堂上と映画公開前に言いきったことに関しては許せない。原作未読の人だっているし、「もしかして…?」となっている状態のものを「言い切る」ことは楽しみを奪ったと言っても過言ではないと思う。原作はすでに完結しているけれど、映画は原作やオリジナルの要素を含んでいて、それをどう映画で見せるかというところが見どころなのに、制作にかかわっている人間が事前に言っちゃうってどうよって今でも根に持ってます。

 

堂上が笠原に階級章のカミツレを渡すシーンがなかったのでほんっとうに……ショックでした…。ショックというより悲しかった…。原作で大事なシーンを担っているので、まさかカットされるとは…と思っていたんですが、映画の衣装で階級章が縫われているのを考えると、まぁ無理ですよね…だって縫われているんだもん…バッチじゃないんだもん……。そもそも稲嶺司令が亡くなった設定にするということは、図書隊はあまりカミツレに固執しなくてもいいわけです。稲嶺司令の奥さんが好きだったカミツレ、日野の悪夢で奥さんを亡くしたことにより、稲嶺司令の憎しみが結果的に図書隊設立になったという話が、稲嶺司令が亡くなって映画のオリジナルキャラクターである仁科司令になったら、「奥さんが好きなカミツレ」に強くこだわることもないのかと考えるとやっぱり寂しい。

 

エンドロールで制帽を被った仁科指令が車に乗り込み、基地を去っていくシーン。あまりにもさびしくないだろうか。54名の特殊部隊の命と引き換えに図書隊を去ることを選んだ司令の最後を見送るのが1人だけ。図書隊を設立し尽力した日野の生き残りの仁科司令を、自分の立場を捨ててでも救ってくれた特殊部隊は誰も見送りに来ない。それでいいのか。原作では勇退する際に図書隊員が稲嶺司令(原作では仁科司令は存在しないため稲嶺司令の事例を引用する)が乗り込む車までの道を敬礼で見送る。稲嶺司令は見送りを求めていないけれど有志の図書隊員の行動だった。あの一人の退官式は、仁科司令の勇退はあれでよかったのだろうか。

 

  • 図書館“で”戦争

 第二作の映像が公開されてからずーっと、思っていたことだ。本を守る図書隊が図書館“で”戦争してどうする。

 映画で良化隊が攻めてきた結果が図書館で戦争することになったのは仕方ないと思っている。私が言いたいのはそこじゃなくて、どうしてその話になったのかだ。

パンフレットで監督が「実は、図書館の中で本格的に戦闘した場面はまだなかったので、続編ではそれをやらなければと思いました」と綴っている。どうしてそうなった。図書隊は本を守る組織なのに企画段階で「図書館の中で戦闘」という話になるのか。それじゃ本は守れないんじゃないか。現に、図書館の中で戦闘した結果、良化隊が3階に攻めてきた際に発砲した弾丸を避けるために特殊部隊は本棚に隠れている。身を守る為に近くにあるものを盾にするのは分かる。分かるけれど、その盾は特殊部隊が守りたい本で、その一冊一冊が弾を受け、死んでいく。あれだけ守りたいと言っていた本を盾にして。何度も言うが、映画のストーリー上本を盾にすることは仕方ないと思っている。しかし、そうなることになったのは「図書館の中で戦闘」ということを選んだからにすぎない。

本を守る図書隊が好きだ。泥に塗れようが血に塗れようが一冊を大事にする図書隊が好きだ。序盤で図書を詰んだ箱を狙撃され、取り残された一束の本を守る為に弾丸が飛び交う中走り出した笠原の想いが好きだ。だからこそ、どうしてそうなったのか強く疑問を感じてしまう。

原作のあそこはよかった此処が無かったといろんな点を言いたいけれど、私が第二作で不満を感じているのはこの点だ。図書館の中で戦闘。それでよかったのか。

 

 

 

 

ここまで不満をあらわにして、じゃあ見なければいいだろうというかもしれないが、私は図書館戦争が好きで、図書館戦争にかかわるものを全て好きと言いたい。映画は映画と割り切り好きな部分を通して映画を愛していく。だから映画館にまだ足を運び、スクリーンで映し出されるキャラクターたちに好きな気持ちを募らせて図書館戦争という世界に浸っていく。

 続編、楽しみに待っています。その際は堂上のツンデレ、危なっかしい笠原、小牧の正論っぷり、翻弄される手塚、柴崎の美しさ、玄田隊長の豪快さ、進藤一正のあの笑い声、愛すべき図書隊が続編という形でまたスクリーンに戻ってきますように。

 

*1:以下、第二作

*2:以下、第一作

*3:EVACってEVACUATEの略なのかな?

*4:そういえば特殊部隊の人数が54人と聞いて端数だなぁと感じていたけど、普通の班は5人編成だけど堂上班だけは4人編成だから54人なんだと思い出した